ゼミで話題になったので少々。
スーパーコンピューターっていわれても、そんなの身近に無い、関係ないという人が
ほとんどでしょう。
実際、一時は世界ランク上位を独占した日本製スーパーコンピューターですが
日本人はあまり関心を示さず、現在上位20位以内に1台、4位に食い込んでいるだけです。
(※注 2005年6月現在)
この4位に食い込んでいるのが2002年から5期連続トップだった地球シミュレータです。
地球シミュレータは地球シミュレーターセンターにあって
大きさ 50m×65m×17m
総プロセッサー数 5120個
ピーク性能 40TFlops
実行性能 35.86TFlops
主記憶容量 10TB
HDD容量(ユーザー用) 230TB
HDD容量(ワークディスク用) 460TB
という代物です。
この地球シミュレータの登場は、日本ではたいしたニュースにもならなかったけれど、
アメリカではコンピュートニック(Computenik)という言葉が出来るほど
大きな衝撃があったそうです。コンピュートニックとは、1957年にソ連のスプートニックによって
人工衛星打ち上げ一番乗りが先を越されたショックになぞらえて生まれた言葉で、
このときはアメリカは国力の総力を持ってアポロ計画を成功させるまで、その死に物狂いの努力が伺えます。
そして、今回もアメリカはTOP奪回に動き、2005年6月には世界上位20位以内中、地球シミュレータを除いた
19台をアメリカ製が占めています。
2005年上半期の上位10位の計算速度をくらべてみると、
1位 IBM製 BlueGene/L-eServer Blue Gene Solution 計算速度136800GFlops
2位 IBM製 BGW-eServer Blue Gene Solution 計算速度 91290GFlops
3位 SGI製 Columbia-SGI Altix 計算速度 51870GFlops
4位 NEC製 Earth-Simulator 計算速度 35860GFlops
5位 IBM製 MareNostrum-JS20 Cluster 計算速度 27910GFlops
6位 IBM製 eServer Blue Gene Solution 計算速度 27450GFlops
7位 ※CD製 Itanium2 Tiger4 計算速度 19940GFlops
8位 IBM製 eServer Blue Gene Solution 計算速度 18200GFlops
9位 IBM製 eServer Blue Gene Solution 計算速度 18200GFlops
10位 Cray製 Red Storm-Cray XT3 計算速度 15250GFlops
※CD:California Digital
となっています。
1GFlops=1,000,000,000Flopsで、1Flopsは1秒間に1兆回の演算を行うスピードです。
ちなみにPS3は218GFlops(CPUです。グラフィックなら1.8TFlops=18000GFlopsあります。
まぁ、TOP500はCPU計算だと思いますので218GFlopsで)
日本で他に性能が高いのは富士通製のクラスタシステム「理研スーパー・コンバインド・クラスタ」で8728GFlopsがありますがその差は歴然です。
日本は今後、富士通のペタフロップス級スーパーコンピューティングの実現に取り組みや
日本SGIの東北大学流体科学研究所で国内最大級1PBの次世代融合研究システムの計画があります。
本当に作れるのか?
もう一度世界一を取れるのか?
等を考えますが、そう簡単には物事は進みません。
日本は大きな問題を抱えているのです。
それは2007年問題です。
つまり、団塊の世代の大量退職によって生じる、
IT現場からレガシーシステムを開発してきた世代がいなくなること
レガーシステムってスーパーコンピュータに通じるものがありますからね。
それに、Fortranを現役で使ってきた人がいなくなるのも悪影響があるでしょう。
今の若い世代は、CとかJavaとかが主流ですから。
まあ、この方みたいに2000年問題のときにほとんど対応は出来ている(ちょっと語弊があります。
正確にはちゃんと熟読することをおススメします。)というのも一理あると思います。
でも、技術継承ができているのかは怪しいところですね~
日経ITProというページで解決策を募集していたりするし。
それに対応する投稿もあったみたいですが・・・
最後に余談ですが、東海大学の学生は清水キャンパスにあるNEC SX-6/2Cというスーパーコンピュータを無料で使えます。
東海大生の皆さん、もったいないのでどんどん使いましょう。